11/14-15, 24 DXTOC研修3DAY開催
滋賀県にて第1回目となるDXTOC研修を開催することができました。
お申し込みくださったお客様、ご協力くださった皆様、滋賀県労働局の助成金担当の皆様、ありがとうございます。
研修後アンケートにて満足度87点を獲得

TOCインストラクターはなべちゃんファクトリーの渡辺勝也さんにお願いしました。
研修概要
DXTOC研修は、TOC(制約理論)の考え方とDX(デジタルトランスフォーメーション)の実践を組み合わせた、実践的な経営・業務変革シミュレーション研修です。
DXTOC研修の主な特徴
1.「全体最適」を体感するダイスゲーム
MG(マネジメントゲーム)と比較してルールはシンプルですが、工程の流れや「ボトルネック(制約)」の概念を学ぶことに特化しています。
サイコロを使って生産工程をシミュレーションし、自分一人が頑張っても会社全体が良くならない(部分最適の限界)ことや、ボトルネックに合わせることで全体の成果が上がることを体感します。
2.キャッシュフロー(現金)重視の経営視点
従来の研修では利益(MQ)を重視しがちでしたが、DXTOCでは「利益が出ていても現金が回らない」という黒字倒産のリスクを可視化します。
デジタルツールを用いてリアルタイムにキャッシュの推移をグラフ化し、在庫過多が経営に与える悪影響(キャッシュの圧迫)を直感的に理解していただけます。
3.デジタル化による「スピード」と「変化」の体験
研修の前半は手計算で行い、途中からデジタルツール(スマホ入力や自動集計)へ移行します。これにより、手書きとデジタルのスピードや正確性の違いを肌で感じていただき、「食わず嫌い」の克服を促します。
単なる効率化だけでなく、データがリアルタイムで見えることで、意思決定の質が変わることを学びます。
4.業務フローと「H(時間)」の可視化
労働生産性を上げるために、業務にかかる「時間(H)」を「作る・段取り・待つ・学ぶ・休む」の5つに分解して分析します。
これにより、単に手を動かすだけでなく、「待つこと」や「助け合うこと」が全体最適にどう貢献するかを論理的に理解します。
受講者の声
自分だけの効率化から、会社全体の「流れ」を作る意識へ:受講者Aさん(製造・設備部門)
これまで自分の工程の作業をいかに速くこなすかが重要だと思っていましたが、研修を通じてその考えが大きく変わりました。ゲームでは、一生懸命作業をして在庫を積んでも、全体の流れ(ボトルネック)に合わせなければ逆に会社に負担をかけることを痛感しました。 また、デジタルツールを使うことで、手計算では見えなかった経営の危機や改善の兆しがリアルタイムで分かることに驚きました。これまでは「言われたことをやる」という受け身の姿勢でしたが、今後は自分の工程だけでなく前後の工程を見て、チーム全体がスムーズに回るよう積極的に声を掛け合っていきたいです
営業と製造は一つ。「ボトルネック」の理解が顧客満足に繋がる:受講者Bさん(営業部門)
普段は営業職で工場の工程に関わることが少ないため、製造現場の苦労や仕組みを深く理解する良い機会になりました。特に印象に残ったのは、製造ラインにある「制約(ボトルネック)」を理解し、そこを助けることで、結果としてお客様への納期回答が早くなり、信頼に繋がるという点です。 営業がただ注文を取ってくるだけでなく、製造の状況を理解して連携することで、会社全体の利益(MQ)が最大化すると学びました。今後は製造部門と協力し、お客様と自社の双方にメリットがある提案ができるよう、この学びを実務に活かしていきます。
間接部門こそが、現場の「詰まり」を取り除く鍵になる:受講者Cさん(総務・管理部門)
私は直接製品を作るわけではありませんが、この研修で「事務支援」や「ルール変更」がいかに現場の生産性を左右するかを体験できました。最初は自分の役割が見えにくかったのですが、ゲームが進むにつれて、現場のデータやキャッシュフローを正確に把握し、適切なタイミングでサポートに入ることが、会社を救うことに繋がると気づきました。 また、デジタル化によって情報共有のスピードが上がれば、チーム全体のミスも減らせます。今後は管理部門として、現場が働きやすくなるような環境づくりや、経営判断に役立つデータの「見える化」を推進していきたいです
デジタル化への苦手意識を克服し、新しい働き方へ挑戦したい:受講者Dさん(工事部門)
正直なところデジタル機器の操作には苦手意識がありましたが、研修を通じて「食わず嫌い」だったことに気づかされました。手書きの日報とデジタル入力を比較した際、情報の伝わる速さと正確さが段違いで、これが今の時代のスピード感なのだと実感しました。 日本のDX(デジタルトランスフォーメーション)が世界に遅れているという話もありましたが、年齢を言い訳にせず、新しいツールを使いこなすことで会社に貢献したいという意欲が湧きました。経験と新しい技術を組み合わせて、より良い職場にしていきたいです。
「助け合い」が最大の戦略。チームで勝つ面白さを実感:受講者Eさん(工事・現場部門)
3日間の研修で一番感じたのは、「チームワーク」の重要性です。個人の能力が高くても、バラバラに動いていては会社は良くなりません。逆に、誰かが困っている時(ボトルネックが発生した時)に、自分の仕事を調整してでも応援に行くことで、驚くほどスムーズに仕事が進むことをゲームで体験しました。 「情けは人のためならず」ではないですが、周りを助けることが巡り巡って自分のため、会社のためになると腹落ちしました。現場でも、この研修のように声を掛け合い、明るく協力し合える雰囲気を作っていきたいです
仕入先の「詰まり」を解消することが、最強の営業戦略になる:受講者Fさん(営業・調達部門)
普段、営業としては完成品をお客様に届けることばかり考えていましたが、研修を通じて視座が高まりました。ゲームでは、自社だけでなく仕入先(協力工場)の工程にTOCの考え方を当てはめることで、納期の遅れを解消できると気づきました。 単に「早く納品してくれ」と急かすのではなく、相手の工程のどこがボトルネックになっているかを共に考え、解消する手助けをすることが、結果として自社の利益(MQ)と顧客満足に繋がると学びました。今後は協力会社とも連携し、Win-Winの関係を築ける提案をしていきたいです
長年の勘に頼るのではなく、データに基づいた「確信」:受講者Gさん(製造部門)
長年現場にいますが、今回の研修で「頑張るポイント」を間違えていたかもしれないとハッとさせられました。これまでは機械や人を遊ばせないことが正義だと思っていましたが、ボトルネック以上のスピードで生産しても、在庫の山(会社の重荷)を作るだけだと痛感しました。 デジタルツールでリアルタイムにキャッシュや在庫の推移がグラフ化されるのを見て、自分の感覚と実際の経営状態のズレに驚きました。経験則だけでなく、客観的なデータを見て判断することの重要性を、この歳になって改めて学びました。
事務職の「応援」が、製造現場の利益を最大化する:受講者Hさん(事務・管理部門)
最初は「製造現場の研修かな」と思っていましたが、事務支援(サポート)がゲームの勝敗を大きく左右することに感動しました。自分の担当業務だけでなく、今会社で一番大変な場所(ボトルネック)を見極めて、ボトルネックの活用にリソースを集中させることで、チーム全体の成果が劇的に上がると体験できました。 「自分の仕事はここまで」と線を引くのではなく、困っている部署があれば積極的に手伝う姿勢が、巡り巡って会社の利益や雰囲気の良さに繋がると実感しました。明日からは、周りの状況をよく見て動けるよう意識を変えていきます。
失敗から学んだ「制約」こそが、チームを強くするチャンス:受講者Iさん(製造・若手社員)
講義の中で聞かせてもらった酒造会社の再建の話(にごり酒のエピソード)が心に刺さりました。「制約(思い通りにいかないこと)」は悪いことではなく、そこがあるからこそ皆の知恵が集まり、集中力が生まれて強みになるという考え方は目から鱗でした。 ゲームでも、最初はトラブル続きでうまくいきませんでしたが、チームで話し合って対策を打つことで、後半は驚くほどスムーズに仕事が回りました。仕事で壁にぶつかった時も、それを「改善のチャンス」と捉えて、前向きに取り組んでいきたいです。
個人の「忙しさ」よりも、チーム全体の「ゴール」を優先する:受講者Jさん(工事・現場部門)
これまでは自分の手元に仕事がないと不安で、とにかく手を動かそうとしていました。しかし研修を通じて、全体が詰まっている時に自分だけ先走って仕事をしても、かえって現場を混乱させるだけだと学びました。 重要なのは「個人の稼働率」ではなく「会社全体のスループット(成果)」です。時には「あえて待つ」ことや、ボトルネックに合わせてペースを調整することが、全体最適への近道だと理解できました。これからは独りよがりな頑張りではなく、チーム全体が勝てるような働き方を実践します。

2025年10月5日版
本研修は厚労省人材開発支援助成金リスキリングコースをご活用いただけます。
助成金には要件がございます。
詳しくは下記サイトを御覧ください。
厚生労働省 人材開発支援助成金 事業展開等リスキリング支援コース
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/d01-1.html



