業務システム
システム開発の経験と知識の棚卸-使いやすい業務システム
書くことで新たな気付きを得ることもあるそうなので、それに倣ってかれこれ二十数年システム開発に携わり、経験してきたこと学んだことを何回かに分けて棚卸してみようと思います。
引き合いを頂くお客様は使いやすい業務システムを求めておられますが、「使いやすい業務システム」とはどういうものなのでしょう?
「A3紙をA4の大きさに2等分する」場合を例に考えてみますと
A.ハサミを使う。
B.カッターを使う。
C.強く折り目を付けて手で千切る。
など幾つもの方法が考えられます。
ハサミが使いやすいという人もいるでしょうし、カッターの方が使いやすいという人もいるでしょう。
使いやすさを考える時には「誰にとって」の使いやすさなのか、対象を明らかにする必要があるのです。
【使いやすさは人によって異なる】
業務システムにおいて在庫を確認する場面を例に取ると
A.見積担当者が行う在庫確認
B.仕入担当者が行う在庫確認
では必要とする情報が異なります。
仕入担当者は在庫の有無だけでなく、在庫数と常備在庫数を知る必要があり、納品予定数、納品予定日、ロット数など常備在庫を維持するための情報も必要となります。
一方、見積担当者は必要数分の在庫があるかどうか、欠品している場合はいつ必要数分が確保できるのか、が分かれば良くそれ以上の情報は必要ありません。
このことから在庫確認には2つの画面を用意するか、あるいは1つの画面に2つのビューを用意する必要があるだろうと考えられます。
また「使いやすさ」には程度があります。
どの程度の使いやすさが実現出来れば良いのか、目指す効果についても予め決めておく必要があります。
まとめ:使いやすいシステムとはどのようなものか?
(1)誰にとっての使いやすさ?
(2)目指す効果はどのようなもの?
(3)効果測定の方法は?
(4)現在の測定値は?